修士学生へのインタビュー

学部卒業後、皆さんは就職か進学かの選択をしなければなりません。近年、理系大学では学部で卒業するよりもより高度な技術を身に着けるために大学院に進学する学生が増えています。また、大学院を修了する方が、企業が求める人材像に近く、そのため社会的な需要が大きいという理由が一つにはあります。そこで、ここでは実際に大学院に進学した先輩方に、いろいろと状況を聞いてみました。

インタビュー vol.5

なぜ大学院に進学しましたか?就職や学問追求など、理由を教えてください。

山田:「より深く研究がしたい!」と思ったからです。実は、私は学部時代にも就職活動をしており、内定も頂いておりました。しかし研究が楽しいと素直に思え、より高度な専門知識を身に付けたいと思ったため、大学院に進学しようと決意しました。

石川:自身の研究内容を誰かに託すのではなく、自分でしっかり完遂させたいと思ったからです。そのためには知識や経験が学部だけでは足りないと感じたので、大学院に進学することを決めました。そして、指導教員である藤井先生の下であれば、研究者として必要な力をしっかりと身につけることができると確信したからです。

現在の研究室でなければ学べなかった考え方や専門知識・技術はありますか?

山田:「放射光をはじめとする先端分析」の技術です。特に、大学院に進学をすると自身のテーマを深追いすることが出来ます。そうした中において、国立の研究所で実験に没頭したり、新たな分析手法を開発したりと非常に貴重な経験が出来たと考えます。

石川:溶液ソフトマター化学研究室では、新たな分野に挑戦していく方針を大切にしている研究室ですので、研究テーマの選択肢に幅があります。また、メンバーのしたい研究内容を自由に研究させてくださる点もこの研究室ならではだと思います。だからこそ、自身で研究を進める力、深掘りしていく力が身につきます。さらに、国際学術論文を掲載したり、多くの学会発表へ参加することができますので、研究内容をアウトプットする力も身につきます。

大学院では研究がメインですが、これまでの活動で最も印象に残ったできごとを教えてください。

山田:苦心を重ねたうえで、観測したかった現象を初めて観測出来たことですね。また、実際にそこで得たデータを用いて学会発表を行った際に、多くの研究者の方から非常に高く評価して頂きました。その時は本当に嬉しかったです。

石川:私は学会発表で賞をいただいた時です。学部時代での学会発表では知識が足らなかったこともあり、しっかりと研究内容に関して議論することができなかったことを悔やんでいました。しかし、大学院に進学してから、多くの経験を通したことで気付けば多くの方々に囲まれて研究内容を堂々と、そして楽しく発表している自分がいました。その時の姿勢が評価された時は自分の成長を直接感じることができた瞬間でした。

研究活動の醍醐味、ここがすごい!というところは?

山田:「今まで誰も知らなかったこと」を歴史上、自分が初めて知ることにあると思います。科学の最先端に立ち会うことが出来る瞬間こそ、研究活動の醍醐味ではないでしょうか。

石川:答えのないものを自分が初めて見つけることができる点です!自分がしている研究内容の答えは誰もわからないんです。ですから、日々の研究結果も楽しみで仕方ありません。そしてその結果を学会発表や論文を通して他者に発信することができる環境ですので、上手くいかずに落ち込むこともありますが、モチベーションを保ちながら研究を進めることができます。

専門分野を深く学ぶことで「将来の設計」は見えてきましたか?大学院修了後の進路やそれを実現するために努力していることについて教えてください。

山田:研究室での活動を通じて、将来は「化学系企業での研究者」として働きたいと意識するようになりました。企業での研究職としての採用は、大学院卒の学生に限定される場合が多くあります。そのため、修士課程に進学して専門分野の知見を高めることは、私にとって必須なことであったと感じています。

石川:大学院修了後は企業で研究者として働きたいと考えています。 自身の研究テーマは材料の強度に関する内容からスタートしましたが、研究室で新しいことに挑戦する楽しさを知りましたので、全く別分野の企業に行くことに決めました。企業では自立した研究者が求められると思います。その力を養うために、自分で研究を進めるだけでなく、後輩にしっかり指導しながら研究を進めています。

最後にメッセージを!

山田:社会のしがらみに巻き込まれることなく、研究に没頭することが出来る時間は今しかありません。「多くの壁に阻まれて、その度に悩み、それでも進んでいく。」この経験こそが将来への原動力になると思います。今振り返ると、学部時代に内定を頂き、それを辞退してでも大学院に進学しようと決断したことは非常に正しかったと確信しています。人類の未来を切り拓くのは皆さんです。一緒に頑張っていきましょう。

石川:大学院に進学する人、もしくはしようか迷っている人がこのメッセージを見ていると思ってお伝えします。もし研究者になりたいなら大学院進学をお勧めします。研究室にもよりますが、私は学部で卒業せずに大学院に進学したことで研究者として必要なスキルを藤井先生のご指導のもと、しっかり身につけることができました。また、研究職は企業によっては修士課程を必須としているところもあります。就職活動の幅も広げられたので納得した将来の選択がしやすくなると思います。みんな頑張ってください。

インタビュー vol.4

なぜ大学院に進学しましたか?就職や学問追求など、理由を教えてください。

山田:4年生になり、研究室に配属され将来研究者として活躍したいと思うようになり、そのためには大学院で専門的な知識や実験スキルを身につけることが必要であると思い、進学を決めました。

澤山:大学院に進学することで自身の研究テーマの真髄を極めたいと思ったからです。研究の奥深さに魅力を感じたのはもちろん、化学の専門的な学術知識を吸収できるだけでなく、実験から得られた結果から研究解決の糸口を導くための方法論を発見したり、考察したりできるので、自身の研究スキルの向上のためにも大学院進学を希望しました。実際に研究を進めていくと、想像以上に様々な知識が得られ、同時に豊富な経験をすることができます。

山本: 将来企業研究員として働きたいと考えている私にとって、大学院は、必要不可欠なステージであったと同時に、社会と一定の距離を隔てながら、学問や、組織の在り方、自身の能力などをじっくりと見つめることができる場所であると捉えていました。そのため、大学院という場所で研究生活を送ることは、“社会人として成長するための基礎を、時間をかけて作り上げる絶好の機会”だと考え、進学を決めました。

現在の研究室でなければ学べなかった専門知識・技術はありますか?

山田:私は現在、リチウムイオン電池の固体高分子電解質の研究を行っています。必要となる材料を全て自分で合成し、その材料を使った電池の評価を行っています。材料を自分の手で合成するため、有機合成の知識が身につくのはもちろん、自分で作った材料を実際に電池に組み込んで性能を評価できるので、電池に関する知識も身につきます。これは、他の研究室にはない特色だと思います。

澤山:溶液ソフトマター化学研究室では、主に電解質溶液やゲル電解質の機能設計を分子レベルで構築するために、実験・計算化学を駆使した精密な構造解析を行っています。当研究室では、多くのデータ情報を処理・分析する力や、現象を多角的に把握する力を身につけることができます。また、多くの学会に参加でき、発表経験を積み重ねることで、プレゼンの論理展開を意識した構成力も高めることができます。

山本:実験方法など、有機合成のレシピづくりから、研究発表のプレゼンづくりまで、“理論に基づいた客観的な目線”と“自分なりの動機付け”の両方を以て組み立てられるようになりました。
自身の考えを大切にし、時には研究室メンバーや先生にアドバイスを求めながら、新規合成から研究発表までの一連のプロセスにチャレンジできる私の研究室ならではの能力かなと感じています。

大学院では研究がメインですが、これまでの活動で最も印象に残ったできごとを教えてください。

山田:修士1年のときに、初めて学会発表を行ったことが印象に残っています。私は研究室に配属されてから人一倍実験を行っていましたが、思うような結果がでず、学会にも参加できない苦しい日々を過ごしました。その後、実験がうまくいき、学会発表に参加できた時は非常に嬉しかった記憶があります。

澤山:私は、自身の研究成果が初めて学術論文に掲載された時のことです。論文作成は初めての経験で、多くの実験データの処理や論理構成に大変苦労しましたが、藤井先生の丁寧なご指導のおかげで、無事に投稿することができました。日々の研究活動の、苦心と努力の結晶を一つの形にできたことは非常に嬉しく、感動しました。この論文投稿を機に、今後の研究活動にさらに邁進していこうという気持ちが強くなりました。

山本:研究室メンバーや、先生と、雑談交じりに研究について議論することが多々あります。 その中で私が、思いつきで発言したアイデアが、後々研究室の新規研究テーマの1つとして採用された時は非常に驚き、嬉しく感じました。研究室内での、議論がしやすい、意見が言いやすい環境にとても感謝しています。

研究活動の醍醐味、ここがすごい!というところは?

山田:得られたデータには必ず意味があるということです。それまでの傾向にそぐわないデータが得られた場合、なぜそうなったのかという疑問を持ち、仮説を立てさらに実験を進めていきます。後に、その仮説と結果が合致したときには大きな喜びを感じることができます。予想外の結果を解明していく、それが研究の本質であり、また醍醐味であると私は思います。

澤山:明確な答えのない課題を多角的に捉え、考え、その本質を追究し続けることができるところです。研究者として常に探究心を忘れず、主体的に研究課題に取り組むことで、幅広い専門的知識を獲得できるだけでなく、論理的思考力や課題解決力等も構築することができます。また学会発表に参加して、様々な分野の研究者とディスカッションをすることで、異なる視点からの考えやアドバイスを吸収できるので、研究の考察を深掘りすることができます。

山本:すごい!と思うテーマをとことん突き詰めて好きなだけ研究し放題なことや、それを大勢の人にお披露目できることが大学院での研究活動の醍醐味かなと思います。ここですごく大事だと思うのが「自分がその研究を“すごい!”、“面白い!”と感じているかどうか」だと思います。様々な要因から非常に悩んだ研究室選びでしたが、最終的に「面白そう!!」に突き動かされてくれた自分にとても感謝しています。

専門分野を深く学ぶことで「将来の設計」は見えてきましたか?大学院修了後の進路やそれを実現するために努力していることについて教えてください。

山田:私は、もともと化学メーカーを中心に就職活動を行っていましたが、博士への進学を決めました。その理由は、就職活動中に出会った企業研究者の方の多くは博士の学位を持っており、研究者として活躍する上での博士の重要さを実感したからです。また、昨今の日本の経済事情や急速なグローバル化によって、個の能力がこれまで以上に重要となってくると思います。そのような背景から、自分の価値を高めるために、より深い専門知識や語学力、研究を遂行する能力が必要であると考え、そのための準備期間として博士への進学を決めました。今は実験を行うだけでなく、日頃から英語でのディスカッションを行ったり、多くの論文を読んだりしています。

澤山:修了後は化学系の研究職で活躍したいと思っています。仕事をする上で、適切な課題設定力や俯瞰的視点で考える課題発見力や解決力は必要不可欠になるので、研究を通してこのような力を養えるように意識しています。また学会や論文等で優れた結果を残すことが就職においても良い結果をもたらすと考えているので、日々の研究生活を大切に、集中して取り組んでいます。また、英語力向上のための勉強も頑張っています。

山本:私は、将来、企業研究員として活躍すると同時に、良きプレゼンターで在りたいと考えています。
自身の研究、自社の製品、組織の人材としての自分自身、などなど、他人と魅力を共有して初めて価値が生まれるものが多くあると考えるためです。そのため、大学院生活の中で多く設けられているプレゼンの機会を1つ1つ、準備の段階から本番まで大切にすることで、トレーニングを重ねています。

最後にメッセージを!

山田:現在、大学院への進学を考えている方、就職しようとされる方に今一度、自分の将来について考えてみてほしいと思います。自分のやりたいことはなにか、将来どうなりたいかを自分でよく考え、決断することで充実した人生が送れると私は思います。3年生であれば、研究室選びが最も近い人生の選択になるかと思います。実際に配属されてからしか分からないものかもしれませんが、少しでも気になる研究室には足を運んでみればよいと思います。人それぞれ価値観は様々です、''今''の自分が思うベストな選択をしてください。

澤山:大学院に進学することで、様々な知識や理論を応用して、さらに踏み込んだ学術的な研究を行うことができます。研究室生活は大変なこともありますが、自分の研究に対する探究心や向上心等、直向きに努力して取り組む姿勢次第で、非常に価値のある有意義な時間を過ごすことができ、一研究者として確実に成長できます。自分の将来設計を考える上で、ぜひ大学院への進学を視野に入れてみてください。

山本:“ 自信に満ちて、充実した毎日を、ハツラツと過ごす ” 私の生涯のテーマです。(笑)
修了後、企業研究員を務めながら、これを達成するには、今何が必要かなぁと考え、実行しながら仲間と過ごす毎日はとても楽しく、やりがいがあり、充実しています。
これから研究室生活を送るみなさんも、自分なりの目標を持ち、そこへ向けた成長を日々実感できる環境づくりを少しだけ意識すると、毎日がより楽しく、より充実するかと思います!お互い頑張っていきましょ

インタビュー vol.3

なぜ大学院に進学しましたか?就職関係や学問追及など理由を教えてください。

上杉:私が学部3年生の頃は大学院の進学を考えていませんでしたが、就活のときに学部卒業ではつける職種に限りがあることを知りました。就職先を選択する際に幅が広がると思い、大学院進学を決めました。

竹内:研究の奥深さに魅力を感じ、進学を決意しました。実際に研究を始めてみると座学では得られない知識や経験を数多く得ることが出来ます。自身の学問分野に関する知見を広めるために、大学院で研究を続けていきたいと考えました。

現在の研究室でなければ学べなかった専門的技術はありますか?

上杉:私の研究室は、高分子材料やそれを応用した新しい電池の研究を行っています。私はその中でリチウム硫黄電池をターゲットとして、企業と共同研究をさせていただいています。企業の方との研究ディスカッションを通して、企業の人の考え方や、その考えを実現するための実験方法が学べているなと感じます。

竹内:有機化学研究室では合成から結果の解析までの一連の技術を習得することができます。何度も試行錯誤しながら合成実験を繰り返していく中で、それらの技術を自然と身に付けることができました。また、教科書にも載っている有名な反応等様々な合成法を経験できたことも、技術の向上において有意義でした。

大学院では実験がメインですが、研究室内でのエピソードを教えてください。

上杉:最近新しく研究室に入ってきてくれた4年生の人たちがとても優秀で、いい子たちばっかりで毎日研究室に行くことがとても楽しくなりました!実験などを教えることは大変ですが、頑張りたいです!

竹内:最も印象に残っているのは研究成果が初めて論文誌に掲載された時のことです。苦労や失敗も多々ありましたが、日々の努力の成果を一つの形として残せたことが非常に嬉しく,大きな達成感を味わうことが出来ました。

大学院では学部に比べると学問分野はより専門的になります。魅力的な点を教えてください。

上杉:学部生の時は、教科書の内容を覚えたりすることが多かったですが、自分の研究テーマが与えられ、そのテーマについて自分で考え、行動に起こすこと、さらにその結果が目で見て理解できることが魅力的です。

竹内:専門性が高くなることで大学院で学ぶ内容の一つ一つが自身の研究分野に対して密接に関わってきます。そのため、講義の内容を研究と結び付けながらより具体的なイメージを持って学習できる点が魅力的であると感じました。

研究の醍醐味や研究のここがすごい、というところを教えてください。

上杉:自分で考えたり、論文を読んだりして実験を行い、その結果が自分の考えと合致したときにとてもワクワクします。この結果をどうすれば、より良い結果になるかを考えることも研究の醍醐味だと思います。

竹内:研究の醍醐味は、答えの決まっていない問題や課題に挑戦できる点です。個々が培った知識や経験を最大限に発揮できる貴重な場であり、難しい課題の解決に取り組むことで非常に大きなやりがいを感じることができると思います。

専門分野を深く学ぶことで将来の夢は見えてきましたか?卒業後の進路について教えてください。また、それを実現するために努力していることはありますか?

上杉:将来の夢は具体的に決まっていませんが、就職活動では電気化学の分野が自分の就職先の可能性を広げてくれると思っています。今は実験を重ね、その成果を論文として公表することを目標として、努力しています。

竹内:有機合成に携わる中で、人々の役に立つものづくりがしたいと考えるようになりました。そのため、修了後は化学メーカーで活躍したいと思っています。考察力や問題解決能力は仕事をする上でも重要であるため、研究を通してそれらの力を養えるように意識しながら日々の実験に取り組んでいます。

最後にメッセージを!

上杉:大学院に進学することでしんどいこともたくさんありますが、学ぶことも多いです。大学院でしかできないこともたくさんあるので、自分を成長させるためだと思って頑張っていきましょう。

竹内:大学での研究生活は思う存分研究に注力できる貴重な機会です。まずは興味のある学問分野や自分に合った研究室を見つけ、研究生活を思いっきり楽しんでみてください。

インタビュー vol.2

なぜ大学院に進学しましたか?理由を教えてください。

藤本:化学の専門知識や研究の方法論を活かして仕事をしたいと考えたとき、自分のスキルが足らないと感じたからです。私は学部4年生の時点では指示通りに実験を行うだけで、研究に対する認識も甘く、企業に対して学業の部分でアピールできる強みがほとんどなかったように思います。大学院に進むことでキャリアを積み、指導教授の中山先生の下でさらに成長したいという思いから進学しました。

三輪:研究室に配属され実験を行っていくうちに、実験結果をまとめて得られたデータの傾向から推論を立て、次の予測をして、実験を進め、その結果を含めてまた考察することがとても魅力的でもう少し続けたいと思い大学院に進学しました。

吉武: 大学では、三年生までに共通・専門科目講義や学生実験などの化学における基礎事項を学んだ後、四年生から研究室に配属され一年間の卒業研究を行います。私は入学当初から、大学に来たからにはしっかり研究し、より専門的な知識を身につけてから社会に出たいと考えていたので、大学院に進学し研究を続けることにしました。

研究室でなければ学べなかったと思うところはありますか?

藤本:主体性を持って何かを動かしていく、生みだしていくことの大切さは研究室で特に感じています。例えば学部3年生までは決められた時間に学校で授業を受け、与えられる課題やテストに取り組んでいれば良かったのですが、研究室では研究計画から課題の抽出まで自ら行い、明確な答えのない問題に向き合う必要があります。研究室に配属された当初の私はその点に大きなギャップを感じると共に、先生や先輩方を見て研究者としての「自律性、主体性」を持つこととはどういうことかを学びました。大学院に進学し後輩を指導したり、学会発表を行ったりする中でさらにこの能力は試されると思いますし、社会に出る上で重要なことを学べると思います。

三輪:大学院生になると自分のテーマをもって自分で進められるようになります。また、学部4年生では研究室で一番下の立場ですが、大学院生になると後輩もできるので教えてもらうだけではなく、教える必要もありどのように説明したら理解してらえるか考えるようになりました。

吉武:私は現在、ゼリーやコンタクトレンズなどに用いられる高分子ゲルに関する研究を行っています。特に、高分子をより効率的に反応させることに着目し、高校や大学で学ぶ微分方程式や数値解析などを駆使して実験データを解析しています。これまでに勉強してきた数学や物理が化学現象の解明と実際に深く繋がっていることを実感できました。

研究室で日々実験をされていますが、研究室内でのエピソードを教えてください。

藤本:私は修士1年の10月に新しい研究テーマに移り,その際に実験環境などを改めて整えました。例えば溶液のpHや作製するサンプルの大きさ・形状など様々な点から最適化を行いました。こういった実践的な研究は化学の中でも工学部ならではだと思いますし、先輩から引き継ぐだけでなく自分でアップグレードしていくことが大切だと感じました。

三輪:研究室という言葉の響きでは研究のみを行っているイメージかもしれませんが、時間が空いた時には談笑したり、外食をするために出かけたりもします。最近では、謝恩会や歓迎会などみんなで盛り上がりました。

吉武:先生のご指導のもと、卒業論文を英語で書かせて頂きました。初めてのことで訂正ばかりでしたが、書き進めるうちに英語での文章作成に慣れたように思います。この卒業論文をさらにブラッシュアップして国際雑誌に投稿する予定です。いい経験となりました。

大学院では学部に比べると学問分野はより専門的になります。魅力的な点を教えてください。

藤本:魅力的な点は2つあります。1つは自分の興味のある分野を選択してより深く学べることです。大学院ではより細分化されたカリキュラムで授業が行われるので興味のある講義に高いモチベーションで臨むことが出来ます。2つ目はより専門的な知識を自分の研究テーマと関連付けて考えることが出来る点です。自分の研究課題を持つことで公式や定理もより実践的に身につけることが出来ます。

三輪:研究だけではなく、研究に対する倫理や特許といった企業に入って必要な知識も身に着けられるところも魅力的だと思います。

吉武:専門性が高くなると、その分野についてより深い知識が増えるという点もありますし、研究に対する理解度が上がる分、自分で主体的に研究計画を立て、実行し、その成果を学会で発表できるなど、自らのアイデアを形にできる点が挙げられると思います。

研究成果発表で学会への参加も経験していると聞きましたが、詳しく教えてください。

藤本:学会発表はこれまでに7度行い、東京や北海道、ハワイでの国際学会にも参加させていただきました。学会発表はこれまでの成果をアウトプットする数少ない機会であり、自分自身の研究の進捗状況を改めて見直すことが出来ます。加えて、“人に伝える”ということをきちんと意識しなくてはならないので、毎回先生の前で繰り返し発表練習を行い、指導して頂いています。学会を通して学んだ自分の研究を深く理解すること、他者意識を持つことなどは現在の就職活動にも直結しているように思います。

三輪:学会の準備は初めに自分が作ったスライドを先輩や先生に助言を頂きながら何度も何度も訂正しました。発表の時は緊張しましたが、他大学の方から様々な視点のアドバイスや意見を頂き、大変参考になりました。

専門分野を深く学ぶことで将来の夢は見えてきましたか?卒業後の進路について教えてください。また、それを実現するために努力していることはありますか?

藤本:学部生のときは自分が10年後どんな仕事をしているかなど全くイメージできませんでした。しかし無機化学を通した材料の開発から応用までの一連の知識を身につける中で、材料・素材の開発を通して社会に貢献したいと思うようになり、総合化学メーカーを中心に就職活動を行っています。私は優れた研究を実現することが就職においても良い結果をもたらすと考えているので、日々の研究生活を大切にしています。

三輪:まだ深く考えられていませんが、ものづくりを行う仕事に携わりたいと思っています。大学で多くの基礎を吸収し、将来に生かせたらと考えています。

吉武:将来は幅広く考えていますが、化学系の研究職のなかでも、今の研究で学んだことを少しでも活かせる企業に就職したいと思っています。自身の研究に日々熱心に取り組み、論文や学会などで、それを結果として残したいです。

最後にメッセージを!

藤本:私は大学院に進んで本当に良かったと思っています。研究室という社会の中で研究者として、人として成長できたと思っています。おそらく研究室に配属されてからの数年は自分のやる気次第で何十倍、何百倍にも価値のあるものになると思うので、まずは“絶対に行きたい”と思えるような研究室を授業や見学を通して見つけてみて下さい。

三輪:将来を見据えて研究室見学をし、なりたい自分と照らし合わせてそれに合う研究室をぜひ見つけてください。

吉武:院生活、忙しいですが日々充実しています。研究を進めていくなかで、考察する力、次の実験に向けての計画を論理的に構築する力など、得られることは多いと思います。ひとつのこと(研究)を続けることは、必ず自分のためになると思うので、ぜひ院への進学を考えてみてください。

インタビュー vol.1

大学院に進学を決めたきっかけは?何が魅力でしたか?

生月さん:大学4年時に研究室に配属され、最初は公務員を目指していて4年で卒業することを考えていましたが、研究を続けていくうちにもう少し深く学びたいと思うようになったためです。

田中さん:大学受験の時から大学院進学を視野に入れていました。化粧品関係の仕事に就きたいと考えており、研究開発に携わるためには大学院に進学したほうがいいと考えていたからです。

原さん: 私は、大学院進学か就職かを考えたときに学部生では専門知識や技術力はもちろんですが、考察力、表現力が自分に不足していると実感していました。そこで、それらの課題を克服し、さらなる自己成長するために、研究を通してそれらの力を身に付けたいと思い、大学院への進学を決意しました。

現在の専門に興味をもったきっかけは?どこがおもしろいですか?

生月さん:化学の分野の中でも化学工学が好きです。化学工学では、一見、複雑にみえる過程を単純化して理解していきます。様々な単位操作について理論が構築されていますが、1つの理論を理解すると様々な問題に応用できていくという点に魅力を感じています。また、研究においても様々な条件で得られた実験データが一つのモデルに基づいて統合され意味を持ったデータとなる過程が面白いと感じています。

田中さん:化粧品関係も勉強できそうだったので、この研究室に興味を持ちました。今研究で抗体医薬品を扱っています。もともと生物系が好きなのですが、生物で習って得た知識とリンクすることがあるので楽しいです。また、今まで着目したことなかった角度から考えることがたくさんあります。その分、理解しがたいこともありますし、実験も上手くいかないときもあります。大変ですが、注意しながら実験を行い上手くいったときは嬉しいです。

原さん:私は、有機化学の分野を学んでいます。自分の手で実際に実験をして、新たなものをつくることができることに魅力を感じています。実験結果を予想し結果がその通りになったときに喜びを感じたり、結果の原因を探求することに面白さを感じています。

研究室生活はいかがですか?

生月さん:卒業論文で忙しい時期もありましたが、同級生みんなで切磋琢磨しながら乗り切りました。先輩もフレンドリーな人が多く、節分など研究室でのイベントもあり、充実した研究生活を送れています。
また1人暮らしをしているので、生活リズムが崩れないように朝食は必ずとるなど、気を付けて生活をしています。

田中さん:研究室に入って生活スタイルが一気に変わりました。バイトとの両立もしなくてはならず、1日休みの日はほとんどありません。しかし、時間を作って自分がやりたいことをする喜びは大きいです。また、研究室には留学生の方がいますし、英語の論文が多いので英語に触れる機会も多いです。短期留学に行くこともでき、刺激を受けたり、自分の考え方が変わったりと成長できる場でもあります。

原さん:研究室に配属されてからは、今までの学生生活とはかなり異なり、研究室で過ごす時間がほとんどになりました。そのため、アルバイトやサークル活動など自分の時間はあまり作られなくなりましたが、それ以上に研究室で身に付ける知識や技術は、価値のあるものになると思います。

将来の夢、または卒業後の進路について考えていることは?またはそれを実現するために、努力していることは?

生月さん:前は公務員を考えていましたが、今では化学メーカーで研究開発職に就きたいと考えています。危険物取扱者や化学工学技士の資格を習得し、現在では英語力向上のため、TOEIC試験の勉強をしています。

田中さん:化粧品関係の仕事に就きたいと思っています。もっと化粧品の知識を身につけたいと思っていますし、企業研究も進めたいと考えています。

原さん:将来は、研究開発の分野で活躍したいと考えています。研究室での生活をより身のあるものにするために、何事も目的を持って物事に取り組むようにしています。

大学での勉強方法や技術習得で、ここは工夫しようとし思っていることは?

生月さん:日頃から講義で分からなかったことはその日のうちに教科書などで理解するようにしていました。また、テスト勉強では一日漬けにならないように、早めからの勉強に努めました。

田中さん:3年生までは、授業にちゃんと出席し板書はしっかりとって、テスト前に暗記し問題を繰り返し解いていました。わからないところは先輩に教えてもらったり先生に聞きにいったりしていました。友達と一緒に勉強する約束をし、お互いにモチベーションを上げていました。
研究室では、実験することのほうが多かったです。効率よく実験するために何をすべきか考えるようになりました。

原さん:どの分野を学ぶにしても、どこが重要であるのかを考え、苦手な箇所を中心に勉強に取り組みました。

学部1~3年と4年での勉強の違いは?

生月さん:4年ではより自分から積極的に学ぶことが必要となり、疑問点は先輩方や先生に質問をして早めに解決していました。実験器具の説明書や論文は英語で書かれていることも多く、英語がより必要となってきます。

田中さん:院生のほうが英語に触れる機会がより多くなると思います。大学院の編成が変わったので、これからの授業形態に不安がありますが、自分のために自分で考えて勉強したいと思っています。

原さん:これまでは、講義を受けて学んだことを自分のものにし、試験で問題を解けることがよいとされていましたが、4年生からは、それだけでなく、研究などでの問題解決能力が必要であると思います。

最後にメッセージを!

生月さん:研究室という新しい環境となり不安に思うことがあるかもしれませんが、ただ研究をするだけでなくイベントも多く、充実した研究生活を送れると思います!

田中さん:大学4年間を振り返ってみて、誰のために何か残せたか、自分に何が残ったか考えてみると私は自信を持って言い切れることが特にありませんでした。楽しかったし、得られたものはたくさんありますが、失敗したことや後悔したこともたくさんあります。学生生活でしかできないことや、自信を持てる何かを得るために、今の生活を充実したものにしてほしいと思います。

原さん:大学生活の4年間は、長いようで本当にあっという間でした。人への感謝の気持ち忘れずに、今しかできないことを一生懸命取り組んでください。